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明け方の空の水星:金星を目印に日の出前に見つける

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11月20日(日本時間)の常用薄明の始まりに東京から見た東南東の空を描いた図。水星は方位115°の高度12°、金星は方位124°の高度25°にあり、スピカは金星の右下約2°、アークトゥルスは真東の高度33°にあります。黄道は破線で示され、地平線から急な角度で立ち上がっています。
11月20日(日本時間)の常用薄明の始まりに東京(北緯35.7°)から見た空です。太陽は地平線の下6°にあります。明るい金星を目印にすると、水星はその左下約15°に見つかります。位置はJPL Horizonsで計算しました。SkyFlux · JPL Horizons

UTCでは11月20日の夜遅く(日本時間では21日の朝)、水星が西方最大離角を迎えます。太陽から西へ最も大きく離れるときで、その角度は19.6°です。北半球では、このころの明け方が、肉眼で見える惑星のなかで最も見つけにくい水星をとらえる好機です。水星の右上、より高いところで明るく輝く金星が、探す方向の目印になります。

11月下旬が北半球で水星観望の好機になるわけ

水星は地球より内側の軌道を回っているため、地球から見ると、太陽の東側と西側を行き来するように見えます。太陽の西側にあるときの水星は日の出より先に昇り、明け方の薄明の空に姿を現します。UTCで11月20日の夜遅く、水星は西側で太陽から最も大きく離れます。

とはいえ、離れる角度はそれほど大きくありません。そこで助けになるのが黄道(太陽が1年かけて空をめぐる通り道)で、惑星はいつもその近くにあります。北半球の秋の明け方には、黄道が東の地平線から急な角度で立ち上がります。東京では、11月20日の常用薄明の始まりに黄道が地平線となす角度は約68°ですが、3月の春分のころの明け方にはわずか31°です。黄道の傾きが急なほど、水星は太陽の横ではなく上のほうに来るため、太陽からの離角が同じでも、地平線からの高度は高くなります。

天球上では、水星は太陽よりかなり北にあります。この時期は太陽の西側の黄道が太陽より北を通っていること、そして水星自身が黄道より約2°北にあることが理由です。空での南北の位置は赤緯で表します。赤緯は地球の緯度にあたる座標で、水星は−12.2°、太陽は−19.8°です。そのため北半球では、水星が太陽よりかなり早く昇ります。東京では、日の出の約1時間40分前に昇ります。

見える方角と高さ

日の出の1時間ほど前から、東南東の低い空を探しましょう(ヨーロッパ北部など、もっと北の地域では南東の空です)。そのころには、東京から北緯59°までのどこでも、水星はすでに高度7~8°にあります。それより早い時間には水星はもっと低く、地平線近くの濃いもやに埋もれています。まず金星を見つけましょう。金星は10月下旬に地球と太陽の間を通過し(内合)、いまではこの方角の空で最も明るい天体として、−4.9等で輝いています(等級は、数字が小さいほど明るいことを表します)。水星は金星の左下にあり、11月20日には金星から約15°、腕をいっぱいに伸ばしたときの握りこぶし1個半ほど離れています。この間隔は、14日の13°から26日の19°へと広がっていきます。金星が水星より速く太陽から遠ざかり、水星のほうは20日を過ぎると向きを変えて、再び太陽に近づいていくからです。

11月20日の朝、太陽が地平線の下6°にある常用薄明の始まりには、水星と金星は次の高さにあります。

  • 北緯35.7°(東京):水星は高度12°、金星は25°。常用薄明の始まりは11月19日の20:51 UTC(日本時間20日の5時51分)で、日の出の31分前です。
  • 北緯59°(ストックホルム、オスロ):水星は高度8°、金星は16°。常用薄明の始まりは日の出の54分前です。
  • 北緯51.5°(ロンドン):水星は高度10°、金星は19°。常用薄明の始まりは日の出の42分前です。

11月17日から23日ごろまでは、毎朝の常用薄明の始まりに、水星はほぼこの高さに見えます(東京では高度約12°)。金星の右下約2°には、おとめ座で最も明るい星スピカがあります。スピカを水星と見間違えないようにしましょう。水星はスピカより明るく、スピカから見てずっと左下の、低いところにあります。

SkyFluxの星図では、現在地から見た水星の位置を確認できます。

水星の見え方

肉眼では、水星は明るくなっていく空に浮かぶ光の点にすぎません。太陽に照らされた半球のうち、地球から見える部分が日ごとに増えるので、水星は日を追って明るくなります。11月14日は+0.3等、17日は−0.2等、20日は−0.4等、23日は−0.6等です。ただし地平線の近くではもやで光が弱まるため、これらの等級から想像するより暗く見えることがあります。

双眼鏡を使うと探しやすくなります。金星から左下へ向かってゆっくり視野を動かし、水星が見つかったら、双眼鏡を下ろして肉眼でも確かめてみましょう。双眼鏡を使うと探しやすくなります。金星から左下へ向かってゆっくり視野を動かし、水星が見つかったら、双眼鏡を下ろして肉眼でも確かめてみましょう。日の出前に双眼鏡をしまいましょう。太陽は、それまで見ていた方角のすぐ近くから昇ります。双眼鏡で太陽をほんの一瞬見ただけでも、目に取り返しのつかない障害が残るおそれがあります。、それまで見ていた方角のすぐ近くから昇ります。双眼鏡で太陽をほんの一瞬見ただけでも、目に取り返しのつかない障害が残るおそれがあります。

月は観察のじゃまになりません。23日までは明け方にはすでに沈んでおり、24日の満月を過ぎると、水星とは反対側の西の低い空に残っています。

水星が見つけにくいわけ

水星の軌道はとても小さいので、地球から見た水星は、太陽から約28°より遠く離れることがありません。そのため北半球の中緯度では、水星が見えるのはいつも薄明の低い空で、完全に暗くなった空で見えることはまずありません。今回の最大離角が19.6°にとどまるのは、水星が太陽から約5,000万 kmのところにあるからです。この距離は、最も近いときの4,600万 kmに近く、最も遠いときの7,000万 kmと比べるとずっと小さい値です。水星が太陽に近いほど、地球から見た最大離角は小さくなります。

出典とライセンス

  • JPL Horizons(NASA/JPL) — 水星・金星・太陽・月の位置、離角、等級、輝面率、赤緯、各地から見た高度と方位。2026年10月17日に計算(東京の常用薄明の時刻と高度・方位は2026年10月20日に計算)。https://ssd.jpl.nasa.gov/horizons/
  • SIMBAD(CDS、ストラスブール) — スピカ(alf Vir)とアークトゥルス(alf Boo)の座標とV等級。https://simbad.cds.unistra.fr/simbad/
  • NASA NSSDC Mercury Fact Sheet — 水星の近日点距離(4,600万 km)と遠日点距離(6,980万 km)。https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/mercuryfact.html

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